13 日にジュネーブからロンドン経由で英国航空にてアメリカ東海岸のバルチモアインターナショナル空港に到着しました。ジュネーブで預けなくても良いと言われた荷物でしたが、ロンドンのヒースロー空港では物々しい警戒態勢がやはり続いていました。大きな荷物は預けなくてはいけませんでした。X線検査ではペットボトル、化粧品、練り歯磨きなどの液体、スプレー、歯磨き粉などは全て没収されていました。手荷物は1つだけなら許されるまでは緩和されていましたが、それでも何回も飛行機に乗る直前まで検査が数回に渡って行われていました。僕の手荷物のカバンには小さな消臭スプレーが入っていたのですが、それはなぜか見つかりませんでした。見逃す事もあるようでやはりすり抜けるものはありそうです。
ロンドンからボルチモアまでは約8時間半のフライトでした。WMOの規程では1日の合計の飛行時間が9時間以上の場合は自動的にビジネスクラスになります。この待遇は非常にうれしいものです。体に負担がかからず、色々な資料をゆっくり読むことが出来ます。英国航空のビジネスクラスはなぜか後ろ向きの座席と前向きの座席が互い違いに整備されています。後ろ向きの席はなんとなく違和感があるので、前向きにの席に変えてもらいました。
ボルチモアインターナショナル空港は、ワシントンDCの近郊の3つある内の空港のひとつです。今回出張のアナポリスに近いのでここを選びました。空港からはシャトルバスでアナポリスまで約20分です。アナポリスはワシントンDCから車で約30分位でしょうか。大西洋の入り江に面したハーバーと蟹などの海産物、それに海軍兵学校で有名な場所ですね。
今回の出張は各国の地球観測衛星の機関が集まって、国際協力などについて調整する会議です。なのでJAXAの同僚も来ていたのすが、今回は僕は出向して立場が違うのでちょっと違和感がありましたが、久しぶりの再会はうれしいものです。この会議はもう20年以上も続いており、僕も10年以上関わっていて各国の同僚とももはやツーツーの仲に近いです。
さて、以下、写真付で主に仕事以外の紹介をします。


街の中心にあるメリーランド州のState house(州の議事堂)です(写真上)。アナポリスは小さい街なのですが、メリーランド州の州都でもあるのです。歴史のある街で実は最初のアメリカの首都であったのです。その由緒を残すため町並みは写真下のような古い赤茶のレンガ造りを残しているようです。

街のメインストリートです。州議事堂からハーバーに向けて約500メートル位でしょうか。その両脇にしゃれたレストランなどが並んでいます。アナポリスに来たのであれば、なんといっても蟹でしょうか?ブルークラブと言われる小さめの青い蟹が有名です。ソフトシェルクラブという甲羅が柔らかくて全部食べれてしまう蟹もあります。また、クラムチャウダーが有名でクラッカーをたくさん入れて食べるのが、ここでのスタイルですね。

ハーバーには大きなヨットがたくさんあります。立派なヨットを持つ事はここら辺ではひとつの豪華なステータスにもなるみたいだとか?


クラムチャウダーも食べたのですが、やはり日本食が食べたかったので、すし屋さんが2件あったので入ってみました。普通の寿司の他に、如何にもアメリカらしいダイナマイトロールとかがあったので同僚が頼んでみました(写真上)。中々グロテスク?味はそこそこでした。普通のお寿司は普通においしかったです。デザートもお米を使ったココナッツ味のマンゴー添えという(写真下)、日本人では考えつかないようなものが出てきました。さすが、アメリカ?

海軍兵学校(United States Naval Academy)の門です。中は見学できますが5時過ぎなので今回は入りませんでした。アメリカのエリート海軍兵士養成学校がここです。アナポリスの街中には白い兵服を着た士官や生徒がたくさん歩いていて、それが待ちの古い赤茶のレンガの建物とマッチして中々の雰囲気をかもし出します。この兵学校は「愛と青春の旅立ち」で有名な場所ですね。「パトリオットゲーム」でハリソンフォードが襲われる役を演じたのもこの門の前の通りだったのです。

今回泊まったホテルの部屋です。散らかしていて汚いですが。アメリカのホテルはやはり部屋が広いですね。ベッドも一人で泊まるのに良くツインの所を割り当てられます。しかも、ベッド一つのサイズがクイーンからキングのサイズなので、本当に広々しています。インターネットも基本的にワイヤレスがつなぎ放題な所が多いのでブログも更新できるという訳です。ヨーロッパは有料なホテルが多いですね。アメリカはやはり広いし豊かだ!というのが改めてわかります。

仕事の会議風景を一枚だけ。各国の宇宙機関の代表が集まり議論、調整します。パソコンでパワーポイントでプレゼンテーションしながら調整するというスタイルはもう当たり前の世界です。会議中はワイヤレスでインターネットにつながるので何かと便利です。しかし、やはりこうした国際会議はどうしてもヨーロピアンアンドアメリカンクラブになってしまいます。アジアからも最近は日本だけではなく、中国やタイも発言できるようになってきました。このコミュニティは和気藹々とやっている方だと思います。


さて、会議の最終日は午前中で会議を終了させて、その後お昼から今回のホストであるNASAのケン・マクドナルドの家に招待されたので、同僚と一緒に行きました。アナポリスからさらに東に行ったチェサピーク湾を長い橋を渡って行きます。これがその橋(Bay Bridge)なのですが、すごく長いです。しかも、対向車線は平行してもう一つの橋があるのです。横浜ベイブリッジも瀬戸大橋も真っ青です。中々こうしたものがあることは日本ではわかりませんよね。まあ、東海岸は地震がないのでこうした橋も簡単な構造で建築しているのかもしれません。

これがケンの自宅です。職場であるNASAのセンターからは車で毎日1時間かけて通っているそうです。奥さんも同じ職場で、奥さんの方が上役に当たるようです。子供はいないので二人だけでのんびりとこんな大きな敷地と家で生活しているのを見るとなんとも世界が違うことを認識させられます。まあ、日本でこんなのを真似しろと言っても出来ないし、彼らの様な環境はある意味「人に見せるための家」という目的もあるようで、人を招待してパーティやバーベキューをするのが大きな目的の一つでもあるのです。逆にそうでもしないとこんな田舎で寂しい訳です。

カウンターバーです。ビールも本格的なサーバーがあります。まさに人を呼ぶための環境ですね。

庭の入り江のほとりにあるハンモック。こんなところで昼寝と読書をしたいですね。

さらにさらに、彼らの持ち桟橋と持ちヨット・ボート(合計3台)です。すごいですねえ。家の庭から行けてしまう環境ですよ。もうここまで来ると、仕事と家とヨットのメンテの割合が同じくらいになってしまいますね。実際、アメリカ人が日本人よりも仕事をしないのは、プライベートが必然的に良いにつけ悪いにつけ「重要」なのかもしれません。プライベートが豊かなのがわかります。アメリカはやっぱり豊穣なんですね。もちろん、その裏で貧困もあるのでしょうが、それらは中々見えにくいのでしょう。

これがブルークラブです。確かに青いです。入り江に仕掛けておくと夕飯のおかずとして捕れるそうです。えさはなんと鶏肉だそうです。
ケンの家で遅い昼食を食べてゆっくり談笑してから、その後ショッピングモールに行きました。しかし、最近は日本でもモールが出来てきて値段も下がってきたせいか、アメリカでのモールも昔のようにメリットがあまりなくなってきているような気がします。事実、それほど買いたい食指の動くものもなく、また値段もそれほど安くはありませんでした。
今日でアナポリスは終了で、これから西海岸のサンディエゴ・ラホーヤに移動します。
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