2006年10月9日月曜日

日本の神様

<今日の一枚>
昨日行ったレマン湖畔の高台にあるレストランからの景色があまりにも絶景だったので、もう一枚載せます。この風景は日本にはない風景でしょう。



<お仕事>
今日からまた1週間が始まりました。今週は来年度の活動計画の最終版の策定、さらには第3四半期報告の作成などの作業があります。それに準じて必要な電話会議も目白押しで忙しさを覚悟しています。

今日は来年度の活動計画の策定作業の内、各国から来たコメントに対する回答と改訂作業を行いました。午後からは電話会議一発。アシャシェ事務局長と調整したかったのですが、今日はなぜか夕方から出社です。事務局長も週明けで疲れがどっと出ているのかもしれません。

今日は我が部署のとなりの部署が引っ越しで、それに伴い我が部署のオフィスの拡張工事を行うべくレイアウト変更作業が行われていました。僕たちは現在二人で一部屋を割り当てられているため若干狭く感じるのです。一人一部屋だと日本人にとっては随分贅沢な感じはありますが、欧米では当たり前の世界ですよね。

僕は逆に今の二人で一部屋の方が実は気に入っています。同室のアンティと交流が保てますし、お互いの情報交換というのはやはり重要だと思うのです。一部屋になると全く自分からいろいろな事を考えて、必要に応じて他人の部屋まで行って調整しなくては行けません。これが分業主義の欧米流なのかもしれませんが、自分の範囲を決めてしまってそれ以上の事はやらないやり方にも一長一短あるとは思います。

<生活>(引っ越し延期)
今日は一つうれしいニュースがありました。引っ越しの事ですが、現在の家主になんとか11月まで貸してくれないか(1ヶ月延長)と無理を言って頼んでみた所、OKのメールが入っていました!やったー、これでアパートを焦って探さずに済みます。10月末に出ろと言われたら本当にどうしようかと考えていた所でした。仕事も忙しい折に平日に部屋を探すのは難儀をします。12月から入れそうな所は当たりをつけているので11月以降はなんとかなりそうです。いや〜一安心です。

<生活>(日本の神様)
昨日、本を一冊読みました。「日本人の神」大野晋著(新潮文庫)です。

なんでまたそんな本をと思われるかもしれませんが、以前から何度か言っているかもしれませんが、「日本人とは?」という疑問がジュネーブに来てから頭について離れないので、夏休みに日本で買って来たこの本を読んでみて少しわかってきたような積もりになりました。

おおざっぱに要約しますと以下の様になるのが僕の理解です。

・日本の神とは朝鮮半島から伝来した仏教以前のものである(神と仏は別である)
・日本の神とは唯一の存在ではなく多数存在した(八百万の神と言われるように万物に神は存在)
・日本の神とは具体的な姿形をもたない(仏像のような具象がない)
・日本の神は彷徨し、時に来臨し、かみがかりした(ある時には人や物についたりした)
・日本の神は場所や物などを支配していた(多数の神が、それぞれの場所や物を支配し人間はそれらの神を奉った)
・仏教が伝来されてからは一時的に神との融合が行われた(平安時代から江戸時代に至るまで)
・仏教は生が「苦」である前提からの「解脱」の方法を説く
・キリスト教やイスラム教は人格化された唯一神を持ち、神との契約行為が存在する
・神道は人間が安定して生きるために万物を支配している神を祀る

とまあ、こんな感じでまだまだあるのですが、要するに日本人としての根元は仏教伝来以前の神道に沿っていて、その血が脈々と今の日本人の奥底にも流れているのではないか?という想像です。

日本人は自分達の事を知らなさ過ぎるのかもしれません。昔習った歴史で仏教伝来という言葉は知っていても、それ以前の事はあまり明確には習えませんでした。おそらく先生自身も教えられる人は少なかったのではないかと思いますが、この本の筆者が書いている様に本当の日本人とは仏教伝来以前の信仰に基づいているのではないか?と思います。

良く日本人は無宗教だと言って不思議がられますが、僕も実際その問いに答えられませんでした。今度お前の宗教は何か?と聞かれたら「”アミニズム”だ」と答えようかと思っています。

今度は融合していた神道と仏教の切り離しを試みた、江戸時代の本居宣長の本でも読んでみようかと思います。それにしても、これは非常に重要な事だと思いませんか?なぜ、こういう事を学校で教えてくれなかったのでしょうか?教えてくれていたけれども僕がアホでわからなかっただけなのかなあ?それならいいのですが、上記の事を知っている日本人って決して多くないと思いますけれど・・・

教育問題の一つの重要事項だと思います。

0 件のコメント: