2008年7月10日木曜日

スイス最低賃金

とある国連職員から聞いた話ですが、スイスの月の最低労働賃金は約3800CHFだそうです。つまり、日本円では38万円以上です。ジュネーブでは、それでも生活するには住居費や物価が高いので外食にも中々行けず、皆苦労しているとのこと。うーむ、日本とスイスは似ていると言われますが、この辺は全く似てへんわ、と思います。

厚生労働省のホームページで見た現在の東京都の最低賃金は739円/時間。掛ける事の7.5時間/日、掛けることの22日/月、とした場合には約12万。。。単純な比較であって色々な要素で違ってくるとは思いますが、それでも悲しくなってきますね。主要国の中では最低だそうで、国としての格付けにまで響いてくるような気がします。

ジュネーブにいると、日本から派遣されて日本から給料をもらっているそれなりの立場の日本人よりも、ジュネーブの現地のスイス人の雑用係や運転手の給料の方が良いことがままあるそうな。スイスに転職してえ、と思っても、外国からの労働者は非常に厳しく制限するスイス。日本が外国人労働者をたくさん受け入れよう!と意気込んでいるのとは全く逆です。

その一方で、ジュネーブでは国連機関や政府代表部を多く誘致し、各国からの派遣に伴う住宅手当や在勤手当てなどの派遣費により潤うしたたかさも持ち合わせています。ジュネーブの人口14万人の約4割は外国人なので単純に考えても約5-6万人は外国からの定常的な資金流入があると思っていいかもしれません。こうした背景があるからか、ジュネーブなどでは物価が上がることはあっても、下がることはまずほとんどありません。

加えて、アラブの石油王や各国の金持ちが預けるスイスプライベートバンク。資金洗浄などの不透明性もまだ多々残す面がありますが、それ故に多くの資金がジュネーブとチューリヒに集まる訳です。ちなみに、スイス大手のUBSとクレディスイスはプライベートバンクではありません。大手の普通のスイス銀行です。しかし、この二つの銀行も世界有数の貯蓄高を誇ります。

周りをEUの列強で囲まれているスイス。千年以上の長い歴史を列強に蝕まれずに生きてきたスイス。日本と似ているよね~、の一言では全く済まされない事を再度認識する次第です。日本は技術立国で得た経済大国の名を自ら失いつつあります。技術で生きていくなら、もっと中小企業を含めた技術集団を優遇し、育てる手はずを行うべきですが、今は規制と規模縮小の嵐。この先どうなるのやら。。。

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