国際機関の中にいると、各国の事情というのがそれなりに見えてきます。グローバルな戦略という観点で見た場合に各国がどのようなポジションにいるかについて、なんとなく僕の理解の範囲で見えている事は以下の感じです。
・アメリカは国際協調はそれなりにお付き合い程度で、それよりは自国の資本と資源を生かした独自のグローバルな戦略を持っている。
・ヨーロッパ各国は国際協調を見据えている物の、旧宗主国支配の領域を除けば、ヨーロッパの域内での戦略を抜けんでない感がある。
・ロシアは外から中々見えない(何を考えているかわからない)。
・アフリカはヨーロッパの旧宗主国にめちゃくちゃにされて歴史を未だに引きずっているので、独自の戦略以前の国を立て直す事に必死。
・南米もなんとなくアフリカに似た状況。
・アジアはアジア各国内での戦略や事情があるものの、日本以外は基本的に貧乏で、かつアジアとしてのまとまりがない。中東アジア、東南アジア、中央アジア、東アジアで全く状況が違う。
・オセアニア地域は、一番平和でアジアとは違った欧米よりの戦略を持っているが、地理的に遠い状況がこの地域を良くも悪くも一歩置いた存在として扱われている。
上記の文化が、国連組織内で暗黙の了解になっている様であり、その状況は国連職員であれば当然知っていてしかるべき内容だと思われます。皆、基本的な知識はかなり心得ていて、アフリカ人の国連職員が北朝鮮について語らせたら止まらない、という事は良くある事です。
特に、言葉は悪いですが貧乏な国ほど国連内では優秀な人材が多い場合が多く、狼の如きハングリー精神に基づく、自分達の国を良くしたいという飽くなき想いによる目標があるため、目的意識に沿った猪突猛進が出来る様です。逆に、先進国は独自の戦略に目的意識を見いだせない人たちは、安泰したポストに甘んじた生活を享受する傾向があるかのように思われる事もしばしば。
日本は国際機関の中でも目的意識を見いだすのに苦労している国の一つだと思います。特に、貧乏な国でもない、貿易協定や捕鯨、北朝鮮問題などの個別な問題は当然あるが、グローバルな観点からの戦略が見いだしにくい、あるいはそれ以前に何が国際的に問題になっているのかそもそもわからない、などの意識の差が決定的にあるので、国連職員としての目的意識が中々自覚しづらいというのはある意味しょうがない事かと思います。
国連のミレニアムサミットの議決事項、21世紀の国連の役割として、貧困、紛争、テロ、環境問題等の解決を課題をして挙げています。日本ははっきり言って、国民の意識としては、環境問題以外は実は対岸の火事と言っても良いくらいの意識の差があるのは明らかだと思います。当事者と第3者ではどうしようもない壁がある訳です。
それなのに、日本は国連のこうした方針に対して世界第2位の拠出金を支出している訳です。この状況は日本国として如何なる戦略に基づくものなのでしょうか?国民一人一人にしたら、このような拠出が如何なる還元があるのか当然疑問に思います。はっきり言って、これはバブル期から引き続くODAあるは円借款と同じレベルで、所謂日本から見た場合は「捨て金」なのです。「日本国に対する還元は”いっさい”ありませんのあしからず。」ときちんと言ってほしいのですが、礼儀正しい言葉に置き換えられているのが現実でしょうか。
まあ、日本が聖人の国という”戦略”を持つのならば(そのような自覚をもってもいいとは思うのですが)、それでもいいのかと思います。
今日は週末の酔っぱらいの世迷い事(にてさもあらずかも)という事でご勘弁を。
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