2007年3月23日金曜日

World Meteorological Day

今日は世界気象の日。国際的な気象の共同観測や資料交換などの国際協力を目的に、WMOが1950年のこの日に発足した事からこの記念日となりました。WMOの発足10周年を記念して制定されましたそうです。日本はWMOには1953年に加盟しています。

今日は午後3時からセレモニーが行われました。今年は特に2007−2008年の間が国際極地年(International Polar Year: IPY)と称して南極と北極の両極の観測研究の強化年になっている事もあり、IPCCの報告も相まって地球温暖化による極地の氷の融解による海面上昇などの基調講演が行われました。



南極と北極が今注目されているのは、やはり温暖化による氷の融解です。グリーンランドの氷が全部溶けたら海面は7メートル上昇すると言いましたが、両極の氷が全て溶けたら、なんと海面は57メートル上昇すると言われています。この数字は脅威的です。多くの陸地が水没するのは明らかです。そして、それは現状の観測によるとそれほど非現実的ではなさそうな状況なのです。

四国程の大きさのある南極の氷が崩壊して溶け出す事が今ではなんどか起きています。北極で起こっている事は南極に比べて目立ちませんが、氷は北極付近でも溶け出して海が見えている事もあるそうです。昨年、北極までを徒歩で辿り着いた冒険家のマイク・ホーンさんが招待講演をしたのですが、北極に近づけども氷が崩れて海に落とされる危険が何度もあったそうです。

北極の氷は確実に溶けているのを目の当たりに感じたそうで、そのせいで生態系も変化が起こっているとの事。北極熊は通常氷と海の際にいるアザラシなどを主食としています。氷が融解していくとすると、北極熊がどんどん北に向かって行きます。アザラシの分布も変わって行きます。

また、通常氷は太陽光を良く反射します。氷が溶けると海面や陸地は太陽光を氷に比べて吸収しやすくなります。それによって、余計地球に熱が溜まるのです。それによって相乗効果的に地球温暖化が高まる、という事になる訳です。

例え、人間がこの先非常に楽天的に考えて二酸化炭素の排出を国際協力で大幅に減らしたとしても、これからの温暖化はもはや止める事は出来ないと言われています。但し、破滅的な温度上昇は避ける事が出来るのです。つまり、温暖化ガスを減らしたからといって地球の気温が下がる訳ではないのですが、状況を悪くする事を止める事が出来ると言う訳です。

今日この日は記念日と言いながらも、改めて我々の役割をしっかりと認識し、行動を起こして行く必要がある訳です。

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