出張続きで久々に今日はジュネーブの休日をゆっくり過ごしました。今週も比較的忙しい日々だったので、土曜日の今日はゆっくりしました。たまには、久しぶりに家の近所を歩こうと思い、買い物がてらBalexertまで歩いてみました。ジュネーブは大分寒くなって来ており、朝晩はかなり冷え込みます。しかし、今日の日中は半袖でもいいくらいの暖かい陽気でした。
家の近くの公園で本を読みました。「無から始めた男たち」(日本経済新聞社)という本で、日本の20世紀を担った大御所経済人達総勢50人の人生短編集です。父がわざわざジュネーブまで送ってくれた本の内の一冊ですが、明治維新以降の日本を支えた人間のスケールの大きさを学ぶに大変面白い本です。また、特にここジュネーブで読む、という精神的効果が大きい事が感じられます。
現代の豊かな日本を作り上げた立役者達が皆一様に、「高い志」「先見の明」「強い意志」を持っている事に改めて感じ入りました。そして、現代の日本人に欠けているこれらの要素を如何にして自分が持つかが普段から大事な事になると思いました。また、これらの偉人達にもう一つ共通している多くの点について、多くが欧米での経験を土壌にしている、と言う事です。
現代の様に海外在住の日本人が多くなり、また誰でも海外に出れる時代で、インターネットでニュースも即座に入ってくる時代ではありますが、日本人にとってはまだまだ欧米から学ぶべきものは多いと思います。ただ、時代の違いというものも確実ある訳で、昔の偉人達は昔の日本に足りないものを必死で補おうとする必要があったという事も事実です。現代の日本は暮らしのレベルはあがり、生きて行く上での渇望するべき要素というものがなくなりつつあります。
暮らしが豊になると狼の牙が抜かれるという表現が当てはまると思いますが、今の日本はまさにその状態なのかもしれません。そして、今度はその暮らしが下降して行く事への不安が充満しているだと思います。戦後の日本とはまさに逆の状態かとも思います。そんな中で我々はどのような「高い志」を持てばいいのでしょうか?
首相が頼りない様な現状の日本ですが、外から見ていると日本という国の方向性が全くわかりません。50年先の日本を誰が今想像できるのでしょうか?老人が半分に増えて仙人の様な国になっているのでしょうか?それとも、第3次世界大戦が起こって日本はなくなっているのでしょうか?それとも、なんでもいいのでしょうか?日本としてみたら別になんでもいいような気もします。
良くジョークで言われるのが、英、仏、伊、米、独、日の人間が同じ船に乗り込んで、嵐に遭い、難破船から海に飛び込まなくてはいけない状況になった時に説得する言い方として、それぞれ違うそうです。
英国人には「紳士は海に飛び込むものです」
フランス人には「この船にいた方が安全ですよ」
イタリア人には「海に飛び込めば女性にもてますよ」
米国人には「海に飛び込めばあなたは英雄になれますよ」
ドイツ人には「海に飛び込む規則になっています」
日本人には「みんな海に飛び込みましたよ」
なんだそうです。
要は和を尊ぶのが日本人である事で、良く言われる事です。しかし、僕は、和を大事にする日本にどうしてこのような偉人達が出て来て、強い意志の元で周囲の反対をものともせず物事が変わる事があるのだろう?と思いました。やはり、欧米経験の効果なのでしょうか?それが外圧となり、一旦変化して受け入れられると和の精神で長期の運用が出来るというのが日本のシステムなのでしょうか?
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