2008年5月15日木曜日

ゴムの外国?枯れ木の日本?

UBSのサブプライムの巨額損失後に一通の手紙がUBSから届きました。おそらくUBSの預金者には全員に個人名でレターを送付している物と思われます。内容とかいつまむと、、、

「今回のアメリカのサブプライム投資による巨額損失で預金者である皆さんは大変憂慮されている事と思われます。我々は、皆さんの危機感と失望を十分理解し、この重大なチャレンジの局面に対して、ここ数ヶ月の我々の努力をお伝えする物です。まず、我々は2回目の資本増資によりこの局面を十分に打開することが可能となります。そして、今回の問題となったアメリカの不動産投資に関する部門を中核からはずし、ベースの資本額を引き上げました。さらに、ファイナンスとリスクに関する管理を徹底し、加えてより経験豊富なプロフェッショナルを執行役員に迎えることにしました。・・・皆様のご意見は我々の最も重要な糧となる所であり、常にご質問を受け付けております。」

このようなレターが銀行から届く事にまずびっくりしました。日本が銀行の相次ぐ統合で乱れに乱れた時期にこのような謝辞だけではなくて、対策と効果を含めたレターを預金者全員に送る事なんてありましたでしょうか?一見大した事ないような事なのかもしれませんが、僕はこの一通に衝撃を受けると共に、ここから国としての余裕の違いを感じてしまいました。

例えるなら、スイスはゴムの様に柔軟で、日本は枯れ木の様に折れ易い、とでも表現できるのでしょうか?スイスは、何千億の被害にあったのに外目の様相的にはまったく泰然自白としており、首脳陣もおろおろしていない。また、大衆も極端に騒がない。日本は逆に銀行の焦げ付き融資については必要以上に騒ぎ立てます。もちろん、焦げ付き融資は良くない事ではあります。しかし、何か事ある毎に必要以上に騒ぎ立てて、それに乗じて周囲も巻き込まれるのが今の日本の社会構造の一つです。情報が必要以上に誇張されて行き交い、群衆心理がバーチャルに成立しているのが日本の社会です。

個人の考える場、主張する場が、段々となくなってきている。もっと言うと個人でいられる場所が段々となくなってきているのが日本だと思います。皆が全て同じ情報をもっていて、同じ意見を持たないと日本人として認められない様な現象まで起こっている。2チャンネルはその反逆で少数の過激派が生き残っている場所でしょう。一方で、不正をしている人がいたら1円でも許さないのが日本です。重箱の角までつつく、というのは日本特有のことわざでしょうか?お互いをつぶしあって、外交は良い顔をするのが日本です。逆に、国内事情を外に押し付けるのがアメリカです。

枯れ木はぽきっと折れます。日本もその内ぽきっと折れちゃうかもしれません。前にも言ったかもしてませんが、僕が思うに日本は単一民族であるが故に、あまりに人々の意識が通じすぎて、異質である事が許せないのだと思います。「違う」という要素が日本人同士では許せない要素になっており、皆おしなべて同じ行動、精神を持っていないとだめなのかもしれません。僕は、そういう意味では日本は社会主義でもいいのか?と思います。但し、それは国が強ければの話であって、今は日本は行く先の見失った船なので、半資本主義、半社会主義で行くしかないのだと思います。

僕自身も日本という国がどうなっていくのか、予想もつかないし、またどうしたいのか正直わかりません。イギリスっぽくなるのかなあ?という予想だけはありますが、それもなんとも言えないと思います。なるようにしかならないのか?それとも頭を雑巾の様に絞って知恵を出すのか?どっちがいいのでしょうね?

今日、一通の手紙から思った堂々巡りの考えでした。

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