スキーは3月末でもう終わりかなあ?と思っていましたが、5月上旬まではシャモニではまだグラン・モンテなどは営業しています。バレブランシュは日曜にやることを決めて、土曜日はグラン・モンテで足ならしのスキー。以下、写真付きで一挙ご紹介!

今回、グランモンテのロープウエーの最上部まで行きました。そこからのモンブラン方面とシャモニの街の風景です。グランモンテは3275メートルのロープウエーの最上部の山がその名(Les Grands Montets)で呼ばれており、そこから滑るピステは黒コースが主体でした。春先ということもあり、雪質は水分を含んでいましたが、さすがに3000メートル以上だとまだ滑りも快適でした。

グランモンテから見た、Aiguille Verte(4121メートル)。中腹を登っている人がいます。


Glacier d'Argentière。この氷河を見ながら滑ります。この氷河に降りる事も出来ますが、クレパスがあるので熟知しているガイドが一緒でないと危険です。

この日は、シャモニ内にある韓国人の経営している宿にお世話になりました。高級リゾートであるシャモニだと宿は高いのですが、この宿はユースホステルのような団体用の部屋がある安宿で一泊2食付きでなんと33ユーロ!トイレやバス(シャワー)は共同ですが、清潔なのでスキーやハイキングなどで滞在するには十分です。しかも、夕食は韓国の焼き肉定食も食べる事ができて大満足!また、是非来たいと思います。

日曜の朝、シャモニの連峰の朝焼けはまた格別でした。雲が出ている物の快晴で絶好のスキー日和でした。

朝8時半頃、ガイドさんと合流し、ロープウエーでエギュイユ・デュ・ミディまで登りました。いよいよバレブランシュの開始です。写真にあるように色々な免責事項が書いてあります。整地されていないこと(全面オフピステ)、雪崩のリスクあり、トレイルマーカーなし、スキーパトロールはいない、以上、全て事故の責任の元で実施する事、なので、相当慣れた人でもガイドさんを雇う事が必須になります。ガイドさんは、一日4人の参加者で270ユーロ、ガイドさん一人につき最高8人までの参加者(4人以上は一人につき16ユーロ加算)、という風に、そこそこ高い雇い代になります。

まずは、スキーが出来る場所まで歩いて降りる必要があります。エギュイユ・デュ・ミディは尖塔のような岩の構造をしており、スキーが出来る場所までは狭い稜線のような場所を200メートルほど降りる必要があります。ロープが張ってありますが、雪と氷の幅の狭い稜線を両側が崖になっている所で、高度3500メートル以上の場所を歩くのは、相当勇気も必要です。ガイドはアイゼンを履いて、氷を強くグリップ出来る様にして、かつ参加者をザイルで全員結びます。やはり、落下の危険は多いにあるのです。

なんとか無事にスキーを履ける場所まで降りてくる事ができました。ここが一番神経を使って疲れたかもしれません。尖塔の様な所がエギュイユ・デュ・ミディです。

スキーを履いて、いざ出陣。この景色は出発前の景色です。一番高い山はLes Grandes Jorasses(グランドジョラス、4208メートル)で3大北壁と呼ばれています。バレブランシュの一番の目玉は、およそ20キロの道のりを周囲の景色と共に楽しみながら、滑降していくことです。初めてなので緊張しきりですが、快晴で視界が良好なのと、ガイドさんが非常に熟練(バレブランシュ60回目)のフランス人(59歳のおじいさんですが)だったのも快適な要素だったと思います。
滑り始めると傾斜は意外に大きくなく、全般的に緩やかでした。但し、オフピステなので、どこにクレパスや岩やそのほかの危険地帯が潜んでいるかわかりません。ガイドさんの通った場所を必ず通って行く必要があります。単独行動が一番危険です。

途中でテントを張っているのを見つけました。登山する人も多い様です。また、その向こうに見えるのは宇宙線を研究する山小屋(Refuge des Cosmiques)です。

空は快晴で絶好の日和でした。空に見える3つの物体はPanoramic Mont-Blancというケーブルカーでエギュイユ・デュ・ミディからイタリア側の駅を結びます。絶景を拝めます。

ヘリコプターが頻繁にパトロールとして飛んでいました。多くのバレブランシュや登山、ロッククライミングの無事を確認するために、岩肌や氷河すれすれに飛んで行きます。また、山小屋への物資輸送もしているようです。その後、山小屋(Refuge du Requin、2516メートル)で一休み。ともかく景色を楽しみます。

ともかくスケールが違います。左右を険しい岩山挟まれて、氷河の上を滑るのは中々出来ない経験です。やって良かったと思いました。

ランチタイム。前日にシャモニの街中で買った、チーズと生ハム、それにフランスパンというメニュー。氷河のまっただ中に座って食べるご飯はこれまた格別です。

大分、下の方まで降りて来て、メールドグラス(Mer de Glace)を滑っている時に見つけた氷河が溶けて出来た自然の湖です。セルリアンブルーの真っ青な湖にまた感動。バレブランシュの春先の風物詩のようです。ちなみに、メールドグラスは上部でジョアン氷河、レショ氷河、タレフル氷河が合流して出来ています。

最後は、このメールドグラスを滑ってきました。そして、終了後はスキーを担いで、最後の試練と言われましたが、心臓破りの階段と言われるゴンドラの駅までの長い会談を登りました。そこから、ゴンドラで登山鉄道の駅であるモンタンベール(Le Montenvers、1913メートル)まで登り、登山鉄道でシャモニまで戻りました。
今回のバレブランシュは天候とガイドさんに恵まれて、素晴らしい体験が出来ました。天候が悪かったり、ガイドさんとの相性が悪いと、全然違うツアーになってしまうようです。特に、天候は重要で視界が悪いと中止しなくてはなりません。また、コースも他にもいくつかあり、それらを通る事で別な視点や感覚でバレブランシュを体験することも可能だそうです。ともかく、今回はアルプスの絶景と自然の雄大さを再度認識出来ました。
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